インクジェットインク用クロスフローテクノロジー

よりグリーンな未来を可能に

近年開発されている高品質な顔料分散体の化学組成は非常に複雑で、副生成物として微小な夾雑物が発生する原因となっています。

インクジェットインクおよび顔料メーカーの多くは、国際競争に対するためにそのプロセスを見直し、製造費用を削減する新しいろ過および分離技術について検討する必要に迫られています。また、業界内では環境に配慮した事業活動を目指し、水の回収やオフライン型の再生可能プロセスにも力を入れています。

ポールのクロスフローメンブレンは洗浄して再利用することができるため、数年間使用できる再生可能型ろ過技術です。これにより、廃棄コストおよび関連コストを削減できます。クロスフロー・メンブレンは製造工程における排液を再生しり水の再利用を可能にします。

クロスフローろ過の利点

クロスフローろ過には独自の特性が数多くあり、この特性が重要な利点に関連しています。これらの利点のため、クロスフローろ過はインクジェットインクなどの特定の分野で推奨されています。

 
特長 利点
1つの入口、2つの出口 (還流液と透過液) が生じます。 メンブレンのろ過精度以上、または以下のサイズの夾雑物を比較的シャープにカットオフすることが可能です。
各パスで、わずかな割合の循環液がメンブレンを通過します。 比較的大きな割合を占める異物を含む液体によってメンブレンがすぐに詰まらないようにします。
限外ろ過 (UF) 分画分子量精度で利用可能なメンブレン 低分子量の不純物を除去または分離できます。
メンブレンはプロセス中の逆洗または逆流により再生可能 透過量が増え、ろ過の経済性を向上させます。
化学薬品洗浄でメンブレン透過流束を回復可能 メンブレンの耐用年数を大幅に延ばし、廃棄コストおよび関連コストを削減できます。
 


インクジェットインクおよび顔料分散体用途に活用できる、クロスフローテクノロジー

インクジェットインクはさまざまな大きさの成分と夾雑物から構成されています。大きさは100Daから100μmを超えるものまであります。

インクジェットインクで一般的に見られる成分および夾雑物の相対的サイズ
図3:インクジェットインクで一般的に見られる成分および夾雑物の相対的サイズ
* デキストランの分子構造による


クロスフローテクノロジーを利用して、次の用途でこれらの成分と夾雑物を分離できます。
  • 水性顔料分散体から不純物を除去する
  • インクおよび顔料分散体を分級する
  • 染料の精製
  • 廃液の管理

水性顔料から不純物を除去

顔料インクに使われる顔料の製造プロセスには、塩分、余分なポリマー、表面活性剤などの低分子量不純物の除去が含まれています。これらの除去は、ダイアフィルトレーション(脱塩・洗浄ろ過)モードのクロスフローで行うことができます。適切なろ過精度のメンブレンを使用すると、不純物と分散媒を通過させ、顔料は残すことができます。インク用の顔料はクロスフローモジュールを通じて循環させます。不純物の一部と溶媒はメンブレンを通過し、透過液としてモジュールから染み出てきます。

顔料分散系からの低分子量不純物の分離
図4:低分子量分散物の分離
注意:メンブレン上を液が流れる際、わずかな割合の成分のみがメンブレンを通過します。


ダイアフィルトレーション(脱塩・洗浄ろ過)モードでは、流れ出る透過液の量だけ脱イオン (DI) 水を追加し、顔料からの不純物を効果的に洗い出します。通常、加水される水の量は、ダイアフィルトレーション量とも呼ばれ、最初の開始バッチ量の倍数で表されます。ダイアフィルトレーション量が増えると、循環液中の塩分濃度は下がります。

ダイアフィルトレーションと塩分濃度の関係

 
ダイアフィルトレーション量 循環液の塩分濃度 (%)
0 100.0
1 36.8
2 13.5
3 5.0
4 1.8
5 0.7
6 0.2
7 0.1
 

顔料インクおよび顔料分散体の分級

クロスフロー精密ろ過 (MF) メンブレンを使用すると、粗大な夾雑物や凝集物を除去することができます。ターゲットとなる粒子は、顔料分散体として理想の粒度分布から外れた粗大な粒子です。

顔料分散体はメンブレンを通過し、粗大な夾雑物と凝集物は循環液側に残ります。常にシステムに加水して、循環液側の濃度を維持し、循環液の流速低下を最小限に抑えます。最終生成物であるインクまたは顔料は、水で希釈されます。透過液を最初の濃度に戻すには、追加操作が必要です。

顔料分散系からの粗大な夾雑物と凝集物の分離
図5:顔料分散系からの粗大な夾雑物と凝集物の分離
注意:メンブレン上を液が流れる際、わずかな割合の成分のみがメンブレンを通過します。


染料の精製

染料系インクジェットインクおよび染料自身を調整する上で、染料のろ過は必要不可欠の手順です。ろ過されていない染料には、染料の合成と混合プロセスから生じた不溶性の硬質粒子または軟質粒子が含まれている可能性があります。低分子量でサイズの小さい染料粒子はメンブレンを簡単に通過して透過液側に入ります。一方、サイズが大きい不溶性の粒子は循環液側に残ります。染料インクまたは染料自身はメンブレンを通過して循環するため、透過液側には精製された染料が集められます。循環液側は濃縮されてスラッジ状の廃棄物になり、破棄されます。

染料からの粗大な夾雑物の分離
図6:染料からの粗大な夾雑物の分離
注意:メンブレン上を液が流れる際、わずかな割合の成分のみがメンブレンを通過します。


廃液管理

顔料インクおよび顔料の処理に使用される洗浄水は、限外ろ過クロスフローメンブレンでろ過することによって再利用できます。水はメンブレンを通過し、顔料やごみなどの不必要な粒子は循環側に残るため、クロスフローモジュールを何度も通過させることで濃縮されます。ろ過された水は洗浄水として再利用されたり、精製してインクまたは顔料の調整に使用したりできます。

プロセス水からの顔料と粗大な夾雑物の分離
図7:プロセス水からの顔料と粗大な夾雑物の分離
注意:メンブレン上を液が流れる際、わずかな割合の成分のみがメンブレンを通過します。


メンブラロックス製造システム
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クロスフローろ過
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