ターボ機械の性能劣化を引き起こす入口ガスの汚染

問題事項

入口ガスにおける液体や固体の汚染により、タービンおよびコンプレッサーブレードの腐食、浸食、およびファウリングが発生して、効率の低下と寿命の短縮につながる可能性があります。以下は、タービンブレードに見られる汚染のタイプの例です。

代表的なターボ機械ブレード


トップページへ

腐食

腐食とは、機械の部品と、ガス流、燃料システム、または
水/スチームを通してガスタービンに入ることのある異物との間の
化学反応による材料の損失のことです。塩分、鉱酸や、
水分と結合した酸化塩素や硫黄酸化物を含むナトリウム、バナジウム、およびガスなどの要素は、腐食の原因となります。

トップページへ

エロージョン摩耗

エロージョン(侵食)とは、ガス流に浮遊する硬質粒子による材料の摩耗除去のことです。エロージョン摩耗の原因となる粒子は、通常は直径10µm以上です。直径が5~10µmの粒子は、ファウリングとエロージョン摩耗の両方を起こす遷移ゾーンに入ります。

タービンとコンプレッサーのブレードのエロージョン摩耗は、詳しく研究され、文書によって十分に裏付けられています。(1)エロージョン摩耗による損傷は、粒子の直径と密度、流れの回転とガス速度の増大、およびブレードサイズの縮小に伴って増大するというのが一般の意見です。タービンとコンプレッサの製造メーカーは、後縁の厚みを増やしたり、現場で交換可能なシールドを取り付けたり、改良した合金を使用することにより、エロージョン摩耗を最低限にとどめています。それでも、どの製造メーカーも、硬い粒子がタービンに入るのを防ぐために、精密な入口ろ過を推奨しています。

トップページへ

ファウリング

ファウリングとは、粒子および水滴がターボ機械のブレードに付着することです。これにより、短期間で流量処理能力が低下し、効率が落ちます。通常、ファウリングは洗浄によって解決することができますが、ダウンタイムが必要になる場合がよくあります。特に、粘り気のある炭化水素のエアロゾルが広く存在する石油・ガス業界では、ファウリングは深刻な問題です。従来、タービンの設計では、微粒子を多量に含むガス流の堆積傾向に対応するための対策はとられていません。一部のタービンブレードの堆積の流跡は予測できますが、実際のファウリングは入口ガスの清浄度に依存します。入口ガスの清浄度は制御しない限り変動します。

トップページへ

ブレード・ファウリングのメカニズム

タービンでの粒子放出の主なメカニズムは、慣性衝突、乱流渦動拡散、およびブラウン運動です。

図1:ブレードの汚染物堆積


固定子/回転子

慣性衝突では、粒子の慣性は、流れの方向が変化する領域で流れ方向から流跡が外れる原因となります。これにより、粒子はブレード表面に影響を与えます (図1)。このメカニズムによって、粒子の直径の縮小に伴い質量透過流束 (到達日) が減少し、1µmより小さい粒子の慣性は、極めて小さくなります。

乱流渦動拡散では、粒子は乱流境界層の渦に引き込まれ、ブレードと翼板の表面方向に流されます。小さい粒子 (0.1~1.0µm) は、境界層の粘性抵抗力によって減速して捕捉されます。

ブラウン運動では、微細粒子 (0.1µm以下) がタービン表面に対してランダムに移動します。粒子 (エアロゾル) のサイズと密度が減少すると、ブラウン運動により堆積速度が上昇します。

温度の段階変化 (熱泳動) によって発生するタービンブレード上のもう1つのタイプの微粒子 (0.01~0.1µm) 堆積がありますが、通常、低い温度での用途では無視できます。これは、石油・ガス業界での運用では典型的です。

ガス流には粒子および水滴が広範に分散しているため (0.1~10µm)、上記のメカニズムのほとんどは、タービンブレードのファウリングを抑制します。(2)

低融解点の共晶の形成は、流動接触分解装置で使用する動力回収高温ガス膨張器において重要なファウリングメカニズムです。(3)

図2: コンプレッサー・ファウリングおよびガスタービンの性能に対する影響 (参照3)


トップページへ

タービン出力の劣化

堆積による主な劣化の影響は、翼板とブレードの間のせまいスロートノズルの流れが閉鎖されることです。(4)タービンノズルを通るガス流が削減されると、ガスタービン出力の損失につながります。図2は、通常のガスタービンの効率と出力に対するファウリングの影響を示しています。出力の損失を補うために、タービンはさらに燃料を消費します。それにより、焼成温度が上昇し、図2にも示されているように、発熱率が上がるという望ましくない結果になります。

通常、10%の動力損失の時点で洗浄のためにタービンを停止します。このダウンタイムは頻繁に発生する可能性があり、多大な損害をもたらします。大手企業と2つの主要なタービン製造メーカーによる現場調査に基づく図3では、タービンファウリングに関する興味深い情報が示されています。(5)燃焼タービンは、約50MW出力、圧力比約10:1、および入り口温度871°C (1600°F) のシングルシャフト機です。

図3: 圧力比10:1のタービンの堆積による出力損失 (参照2)

このグラフ (図3) は、出力損失が入口ガスの汚染レベルと直接比例していることを示しています。ガスの汚染が549ppmの場合、出力を90%に落とすのにかかる運転時間はわずか20時間です。中間の汚染 (58ppm) の場合、250時間後に10%の損失が発生しました。90~100%の範囲の出力を維持するには、洗浄が必要でした。粒状フィルター (19.5ppm) でガスをさらに洗浄すると、10%の出力損失は540時間に遅延されました。

トップページへ

入口ガスろ過

固体粒子のろ過、およびガスからのエアロゾルのコアレッシングにおける最近の進歩により、タービン入口ガスは、粒子のサイズが0.3µmでカットオフされた0.01ppm以下を含有するように経済的な方法でろ過することができます。これにより、浸食が完全に排除されます。通常の運転停止時間を超える20,000時間以内の運転で出力損失を10%に制限するように、ファウリングを制御する必要があります。これは図3の右上のラインから推測することができます。
腐食防止に関して、粒子除去フィルター、および気液分離コアレッサーは、機械的隔膜であり、燃料ガス中の腐食性ベーパーとガスを分離しません。ただし、腐食性の塩分のほとんどは、液化エアロゾルによって溶解されて運ばれます。エアロゾルのほとんどは0.1~0.6µmであり、精密な気液分離コアレッサーによって効果的に除去できます。これにより、精密ろ過の利点として腐食が削減されます (排除されるわけではありません)。

トップページへ

解決策

清浄な燃料で稼動しているガスタービンの代表的なブレード設計の寿命は45,000時間以上で、大規模な点検整備の間隔は最低で25,000時間です。(4)これは、効率の高い液体遠心分離機および粒状層フィルターによって達成できます。ただし、層フィルターによる下流側へのメディアの流出がないことが条件です。実際には、粒状メディアフィルターはファウリングの削減に役立ちますが、下流側に砂粒子が放出されると、フィルターの下流側へのメディア剥離流出のために、エロージョン摩耗が増大する可能性があります。

Pall offers a single stage liquid/gas coalescer to protect compressors and turbines from loss in efficiency.This coalescer rated at 0.3µm (99.98% efficient by aerosols count method)(6) will consistently give an effluent of less than 0.01 ppm (liquids and solids).これにより、タービンの出力損失は、25,000時間以上の運転時間で10%以下に制限されます。その結果、エロージョン摩耗とファウリングによるブレードの点検整備は、製造メーカーの予測リスト (25,000時間など) 中には発生しません。

For hot gas expanders as used in FCC unit power recovery trains, Pall recommends a porous stainless steel blowback filter.1µm (絶対ろ過精度) のフィルターエレメントは、ケーキ形成に対しても、より精密なろ過を提供します。除去効率は、99.9% (重量) 以上です。

トップページへ

参考文献

  1. M. Menguturk、D. Gunes、M. Erten、およびE.F. Sverdrup、「Multistage Turbine Erosion (多段式タービンの侵食)」、ASME Paper 86-GT-238、ASME International Gas Turbine Conference and Exhibitで発表、西ドイツ、デュッセルドルフ、1986年6月8~12日。
  2. R.A. Wenglarz、「An Assessment of Deposition in PFBC Power Plant Turbines (PFBC発電所のタービンにおける堆積の評価)」、Trans.ASME, J. of Eng., Power、Vol. 103、1981年7月、552~560ページ。
  3. D.H. Linden、「Catalyst Deposits in FCCU Power Recovery Systems Can Be Controlled (FCCU動力回収システムの触媒堆積は制御できる)」、Oil and Gas Journal、1986年12月15日。
  4. M.K. Pulimood、「Field Experience with Gas Turbine Inlet Air Filtration (ガスタービン吸入エアろ過に関する現場体験)」、ASME Paper 81-GT-193、ASME Gas Turbine Conference Products Showにて発表、テキサス州ヒューストン、1981年3月9~12日。
  5. R.A. Wenglarz、「Rugged Turbines for PFBC Power Plants (PFBC発電所向けの頑丈なタービン)」、1982年AIAA/ASME Joint Fluids, Plasma, Thermophysics and Heat Transfer Conferenceにて発表、ミズーリ州セントルイス、1982年6月7~11日。
  6. K. Williamson、S. Tousi、およびR. Hashemi、「Recent Development in Performance of Gas/Liquid Coalescers (気液分離コアレッサーの性能における新しい展開)」、American Filtration Societyの第1回年次総会にて発表、メリーランド州オーシャンシティー、1988年3月21~25日。

トップページへ