バイオプロセス・ビジョン - Issue4 - 2013年3月

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市場トレンド

研究所向けバイオリアクターの設計が向上し、生産スイートオペレーションに

XRS 20バイオリアクターシステム今日、医薬品製造業者は、製造プロセスのほぼすべてのユニット操作に関して、シングルユーステクノロジーの採用を急速に進めています。アップストリーム細胞培養発酵の分野も例外ではありません。研究開発設備で活用していた第1世代のシングルユースバイオリアクターシステムを、パイロットスケールやフル生産スケールの設備でも活用するようになったユーザーはますます増えています。このシステムが広く利用されるようになったことで、人々の関心が、堅牢性、生産性、全般的な使い易さに関する欠点のほうに向けられつつあります。

バイオリアクターシステムには、使い勝手と堅牢性に関する課題がついてまわります。このシステムは、バイオテクノロジー関連業務において、ある種独特の存在です。というのも、可動部品 (撹拌システム)、複数のパラメータプロセス測定デバイスと制御デバイス、複数の気体および液体の添加/排出ポートのすべてを、設置が簡単で予想耐用期間中の使用において液体/気体の完全性を100%維持する、1台のシングルユースバイオコンテイナーに組み込む必要があるからです。

ポール・コーポレーションでは、「次世代型」の高性能シングルユースバイオリアクターシステムへの明確なご要望にお応えし、シングルユース アップストリーム市場の様々なアプリケーションに新しいバイオリアクターの設計を市場に提供できるよう取り組んでいます。その第一弾となるXRS 20バイオリアクターシステムは、シードトレインや小規模なGMP操作から、高性能制御システムを必要とする研究所での一般的なニーズを満たすよう設計された、ロッカー型バイオリアクターです。XRSシステムは、従来のロッカー型のバイオリアクターを改良して2軸ロッキングシステムとし、3Dの振とう動作により、撹拌効率を高め、培養物への酸素供給量を増加させます。

新しいシステムに関する詳細をご希望の方は、日本ポールの担当営業またはbioreactors@pall.comまでお問い合わせください。

製品情報

シングルユース充填針

AllegroTMシングルユースニードルラベルフリー分析用ステンレススチール・ニードルの洗浄や再利用、そしてそれに伴うバリデーションはもう必要ありません。クロスコンタミネーションのリスクを避けるためにステンレススチールを廃棄する必要もありません。アレグロシングルユース充填針は、正確性と充填精度の点でステンレスニードルと同等またはそれ以上の性能を持ち、完全に代用できる、ロバストなプラスチック製ニードルです。(ガンマ線照射により) 無菌状態での供給が可能なシングルユース充填マニホールドに事前に取り付けることにより、アイソレーターの隔離された空間でニードルにチューブを取り付けたり、接続時の無菌性を維持するといった工程は、過去のものとなります。パイロジェンフリーでエンドトキシン試験 (USP 85)および微粒子試験 (USP 788) に適合していることも、このアレグロシングルユース充填針ならではの特徴です。
  • 市販のニードルで唯一、オートクレーブおよびガンマ線照射が可能
  • 完全な生体適合性を有する素材を使用、クラスVI-121 °Cプラスチックの規格、USP <87> と <88> に準拠
  • 完全なトレーサビリティ、すべてのニードルにパーツ番号とバッチ番号を記載
  • 幅広い充填容量に対応
  • 内径0.8 mm、1.6 mm、3.2 mm
詳細については、アレグロシングルユース充填針の製品ページをご覧ください。

耐塩性イオン交換クロマトグラフィー担体

HyperCelTMスターAXクロマトグラフィー吸着剤新しいHyperCel STAR AXクロマトグラフィー担体は、希釈済みまたは未希釈のさまざまなバイオロジカル原料を使用する際に、高いタンパク結合能力を維持する多機能な高生産性陰イオン交換体です。細胞培養、微生物発酵、血漿、その他の原料からのタンパク質の回収や精製、ポリッシングに使用できます。

実績のあるHyperCel基材を用いた、この新しい担体の特長は以下になります。
  • 2~15 mS/cmの幅広い電導度における効率的なタンパク質回収
  • 1~2分間の短い滞留時間でも高い動的結合容量を持ち、高い生産性を実現
  • 限外ろ過による脱塩や希釈のような操作を削減し、プロセスの経済性を向上
  • 簡単なパッキング/アンパッキングおよび定置洗浄 (1 M NaOH)
詳細については、HyperCel STAR AXの製品ページをご覧ください。

ForteBioのOctet: ステンレスの洗浄や再利用が不要なリアルタイム・ラベルフリー分析のリーダー

Octetシステムポール・ライフサイエンスの一部門であるForteBioでは、さまざまなアプリケーションで行われる、タンパク質定量や生体分子間相互作用の特性解析 (親和性、カイネティクス、濃度) の結果を、迅速かつリアルタイムで提供する解析システムの開発と製造を行っています。

ForteBioでは、クリティカルサンプルの濃度やカイネティクスの測定に、特許取得技術であるバイオレイヤー干渉法 (BLI) とすぐに使用できるDip and ReadTMディスポーザブル・バイオセンサーを採用しています。クルードメディアにも対応し、費用効果に優れたフォーマットで測定できます。Octetシステムなら、すべての解析がわずか数分で完了します。ForteBioの解析能力は、HPLC、ELISA、SPRといった既存の方法ではスループット、性能、コスト面での制限が生じるアプリケーションで、その価値をいっそう高めています。

ForteBioは現在、医薬、バイオテクノロジー、大学などの主要研究部門において重要なイネーブラー (支援者) として認められています。これまでに500以上のシステムと5百万を超えるDip and Readバイオセンサーが出荷されていることからも、BLIベースのラベルフリーツールの導入が急速に進んでいることが分かります。

詳細については、Octet RED384システムおよびOctet QK384システムの製品ページをご覧ください。

用途

ザイツフィルターファミリーに新メンバー登場

スープラキャップ50デプスフィルターカプセルスープラキャップ50デプスフィルターカプセルは、スープラキャップ・カプセルシリーズに新たに加わった重要な製品です。信頼性に優れたスケーラビリティを有し、研究開発段階からパイロットスケールへ、さらにフル生産スケールへと製品のスムーズな移行を実現します。スープラキャップ50カプセルは、スープラディスクやスタックスといった、より大型のデプスフィルターフォーマットと同じ設計原理を採用しており、さらに特許技術である同じ内外フロー設計を特長としています。
  • 同一の流動抵抗
  • 同一の流路構造
  • すべてのフィルター面積をフル活用
小規模ベンチスケール評価で利用されるこれらの特性によって、デプスろ過におけるスケーラビリティがさらに向上します。また、厳格に制御された環境で担体が製造されているため、より大きなスープラキャップ・カプセルおよびスタックス・カプセルと同等の信頼性の高い結果を、一貫して得ることができます。この新しいスープラキャップ50カプセルの登場は、新たなろ過プロジェクトをスタートさせる絶好のきっかけになるでしょう。

詳細については、スープラキャップ50デプスフィルターカプセルの製品ページをご覧ください。

インタビュー

アレグロシングルユースシステムを使用した、ヒト細胞培養用の代替培地添加物のプロセス

ユタ大学研究員、マリルス・ハンショー アレグロシングルユースシステムを使用したヒト細胞培養用の代替培地添加物のプロセス

ユタ大学の細胞療法および再生医療プログラムの一環として、細胞培地添加物として製品化することを目的とした、明確な特徴を有するヒト血小板溶解物 (PL) の開発プロジェクトがスタートしました。そのような添加物が手に入るかどうかは、臨床用ヒト間葉系幹細胞 (hMSC) を製造する上で大変重要です。ユタ大学は、ポール・ライフサイエンスと共同でバッチプロセス用の関連バイオコンテイナーを備えた完全閉鎖型ろ過システムを開発しました。これは成長因子を最大限に保存しながら、血小板の凍結融解から生じる沈殿物を除去するためのものです。

このプロジェクトのサプライヤーとしてポール・ライフサイエンスを選択される際、何が決め手となりましたか。

ポールが、チームでの共同作業によるアプローチを提供していたことです。製品の可用性も重要ですが、サービスやサポートも同じくらい重要です。

異なるフィルタータイプをどのような方法で評価しましたか。

フィルター性能を評価するために、ろ過を専門とするスタッフが濁度とスループットを確認する一方で、私たちは成長因子の試験を行いました。その結果、最適であると判断されたフィルターがポールの専門家チームによってカスタム設計されたPLプロセス用クローズドシングルユースシステム(SUS)に組み込まれました。このシステムは、プーリングバッグ、ろ過トレイン、ろ過済みプロダクトのための捕集バッグ、プロダクトの再分配のための一連のサンプリングバッグで構成されています。

設置してすぐに使えるクローズドシステムの要件を満たす上でポールのAllegroバイオコンテイナーやクリーンパック・フィルターカプセル、配管などの柔軟性が活かされたのは、どのような点ですか。

ポールの製品は拡張性に優れているため、追加的なプロセス開発を行うことなく、より小規模でのバリデーションの実施が可能になりました。配管をカスタム設計することができたおかげで、プロセスの制限を取り払うことができました。また、クリーンパック無菌コネクターを使ってサブシステムをリンクさせることにより、製品移送中の無菌性を容易に維持できるようになりました。

バリデーションおよび技術サポートのうち、不可欠だと思うのはどのようなものですか。

私たちのプロセスの目的に対してポールの技術チームの理解があったからこそ、優れたエンジニアリングと設計が生まれたのだと思います。プロセス開発の初期段階からプロセスバリデーションの完了にいたるまで、手厚いサポートを受けました。

サポートの充実度は、私の期待をはるかに上回っていました。

アレグロシステムを使用した準備によって得られた培養メディア添加物は、ターゲットとなる細胞タイプを培養するにあたり、どのように機能していますか。

ろ過済みのPL添加物を使用して行った3回のバリデーションでのhMSCの平均成長率は、未処理のPL素材と比べ、90%の活動維持率を示しています。これは、明確な特徴を持つPL製品の商品化に向けた最初のステップです。臨床用hMSCへのニーズは今後も高まっていくと思います。そうなれば、プロセスにおいて、PLの可用性は大変重要になるでしょう。

インターネットハイライト

お客様の生産効率の向上の重要性を認識しているポール・ライフサイエンスでは、最新の業界の課題、動向、革新的な技術情報をトレーニング形式で学んでいただけるよう、ライブまたはオンデマンドで参加できる一連の内容をWEBにて提供しています。多様なセミナー、展示会、ウェビナーをご用意しております。お客様のニーズに合ったものをお選びください。

医薬品製造ウェビナーシリーズ
最新の業界トレンドを詳しくご説明し、新しいテクノロジーをご紹介する医薬品製造ウェビナーシリーズは、興味深い内容が満載で、大変有益です。プレゼンテーションは医薬品製造業界のリーダーと専門家が行います。ライブウェビナーで見逃したものがあっても、ご心配はいりません。詳細とウェビナーの登録については、www.pall.com/biopharmwebinars にアクセスしてください。

アップストリーム、ダウンストリーム、ろ過といった用途に特化したシングルユース関連の今後のトピックについては、後日Eメールでお知らせします。ウェビナーのトピックは、ライブでのセミナー開催日の数週間前にご案内いたします。登録については、 www.pall.com/opt-inにアクセスしてください。

医薬品製造セミナーシリーズ
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「Discover your Future...Today!(未来を発見しよう)」と題されたワンデーセミナー シリーズは、各地域のバイオ医薬品分野のオピニオンリーダーから重要な問題に関する見解を聞いたり、研究所におけるスケールプロセスの効率化や品質向上に役立つ最新の技術革新について知ることができる、またとないチャンスです。現在、ヨーロッパで開催中

「Technology Showcase (テクノロジー ショーケース)」では、研究所から製造現場まで、さまざまな段階に対応する製品、サービス、技術的専門知識の多様なポートフォリオを、お客様のチームのご都合の良い日時に、お客様の施設でご紹介します。施設からイベント会場に移動する時間や費用をご負担いただくことなく、お客様固有のニーズにお応えする、柔軟性の高いイベントです。世界各地で開催

「Think Flexibly (柔軟な思考)」は、情報満載のプログラム、デモ、ディスカッションを通してシングルユーステクノロジーの最新動向をご紹介するスペシャルイベントです。当社の専門家が、プロセスに関する問題への対処方法や、シングルユースシステムのバリデーションを実施する最良の方法についてのご相談に応じます。現在、ヨーロッパと南北アメリカで開催中

最新情報やウェビナーの詳細は、bpvision@pall.comまでお問い合わせください。