バイオプロセス・ビジョン - Issue 3 - 2012年4月

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市場トレンド

バイオ医薬品製造工程の成功につながる道

ポール・ライフサイエンスは、間近に迫った二つの国際展示会で、バイオ医薬品製造工程の効率を高める最新の製品・サービスを発表します。インターフェックスおよびACHEMAにおいて、ポールのアップストリームとダウンストリーム工程に用いるテクノロジーが、いかにして薬剤の開発・生産における「バイオ医薬品製造工程の成功」につながるかを実証します。インターフェックスは5月1~3日に米国のニューヨークで、ACHEMAは6月18~22日にドイツのフランクフルトで開催されます。ポールのブースでは、バイオ医薬品の製造工程のあらゆる重要なプロセスに適用できる、迅速かつフレキシブルなソリューションをご紹介します。培地調整における柔軟性、清澄化/セルハーベストの簡素化、ダウンストリームのスケーラビリティ、汚染物質管理および最終精製での安全性、製剤化、充填工程、品質管理での一貫性。ポールではこのような技術全般を、ぜひ皆様にご覧になっていただきたいと思っています。

次のページでは、既存または新規の工程への導入を検討していただきたい数多くの新製品をご紹介します。インターフェックスおよびACHEMAでは、これらに加えて新しいバイオリアクター技術、新しいクロマトグラフィー担体、新しいメンブレンフィルター、新しい使い捨てデバイス (シングルユース充填針、プラスチック製輸送トートなど)その他の画期的な新製品を紹介します。

弊社は、製品のデザイン、製造、およびサービスについて、信頼のおける包括的なソリューションを提供します。これらのソリューションは、タイムリーな医薬品製造プロセス開発や生産設備の実現に役立つことでしょう。インターフェックス、ACHEMA、弊社が参加する世界各国の多くのイベントでお会いできることを楽しみにしております。

詳細:ACHEMAに関する情報

製品情報

アレグロシングルユースTFFシステム

アレグロシングルユースマニホールドの利点と自動化システムデザインを組み合わせたこのシステムは、製造業務における主要パラメーターの信頼性と使いやすさを向上させます。

TFFへのシングルユース方式を採用することにより、以下の項目を削減できます。
  • システムの準備と洗浄にかかる時間とコスト
  • 製造場所のダウンタイム
  • バッチ/クロスコンタミネーションリスク
  • バリデーションにかかる時間とコスト
システムには、12インチのチューブと1000L/時の供給ポンプが備わっています。20Lまたは100Lの供給バイオコンテイナーを使用でき、大容量を処理する場合はバッチモードで運転することもできます。

シングルユースTFFマニホールド
  • ガンマ線照射実施
  • 事前校正済みのシングルユースシステムを設置
  • 組み立てが簡単 (15分程度)
詳細:シングルユースTFFシステム

クリーンパック無菌ディスコネクターの新バリエーション

クリーンパック無菌ディスコネクターに、1/4インチと3/8インチのホースバルブフォーマットを有する、直径がより小さいものが新たに2種類加わり、さらに幅広い用途でご利用いただけるようになりました。

  • 一般的な用途には次のようなものがあります。
    • サンプリング・バイオコンテイナー
    • 品質管理試験のための切断
  • バイオリアクター周辺の液体処理用アッセンブリーの切断
  • オフラインでの完全性試験用に用いる滅菌フィルターの切断
  • ろ過したバッファーまたは培地からの無菌ろ過セットの取り外し
クリーンパック無菌ディスコネクターを使用することで、シングルユースシステムの切断を可能にしながら、切断前後の無菌性の保持や一般的なバイオバーデン管理を行うことができます。無菌ディスコネクターを含むシングルユースシステムに対する需要は急速に増えており、新たなサイズのラインナップによって、この有効な技術の応用編が広がり、よりいっそう操作の簡素化と工程の安全性向上が実現します。

詳細:クリーンパック無菌ディスコネクター

シングルユースシステム用アレグロマルチプロセシングトローリー

ポールが発売したこの新しいAllegroトローリーは、ディスポーザブルまたはシングルユースシステムを利用した運転や操作を、極めて簡単にしてくれます。このトローリーの一般的な使用例として、次のような使い方が考えられます。
  • 清澄化および製品保管:スタックスデプスフィルター・モジュールを使用
  • フィルターおよびシングルユースシステムは、バッファーろ過および保管をサポート
  • ダウンストリーム操作でのクロマトグラフィーの画分回収および保管
  • 現場での完全性試験および製品保管を伴う無菌ろ過のサポート
2種類の基本フォーマット(シングルまたはダブルカラム幅)、さまざまな拡張フレーム、プラスチック製トレイ、サポート用ハードウェア (フィルターサポート、ドキュメントホルダーなど) も使用できるため、これらのワークステーションは、小規模な開発プロジェクトから本格的な製造まで、幅広いオペレーションでの安全操作、保護、融通性を顕著に高めることができます。

詳細:アレグロマルチプロセシングトローリー

ポールトロニック・アクアウィットⅣフィルター完全性試験システム

ウォーターイントルージョン試験は、疎水性フィルターの場合、もっとも便利なインラインの完全性試験です。しかし、信頼性があって再現性の高い結果は、適切な測定方法と厳密に管理された充填および温度条件によってのみ得ることができます。

ポールが発売したポールトロニック・アクアウィット IVシステムは、最大3つまでの空圧バルブをコントロールできるフロースター IVを搭載しており、試験フィルターとの分離、ハウジング/カプセルへの注水など、試験すべてを自動で行うことができます。さらに、このシステムは、液体用フィルターのフォワードフロー試験またはバブルポイント試験も完全自動で行うことができます。

特長
  • 完全自動化された親水性または疎水性フィルターの調整と試験
  • すべての重要パラメーターを管理して試験結果の再現性を確保
  • 21 CFR Part 11に準拠した電子署名を完全にサポート
  • 工程管理システムと通信できるOPCサーバー
詳細:ポールトロニック・アクアウィットⅣ

5インチフロロダイン EX滅菌グレードフィルター

プレフィルター層を内蔵した高容量フロロダイン EXフィルターに5インチのフィルターカートリッジおよびフィルターカプセルが発売されました。これにより、一段で10インチフィルターや二段フィルターシステムのダウンサイジングが可能となり、ろ過コストを削減できます。

0.2μm向けフロロダイン EXグレードEDFメンブレンフィルターは、セルハーベ
スト、中間精製物、その他ニッチ的用途(ワクチン製造でのリポソーム液ろ過など)におすすめな製品です。

0.1μm向けフロロダイン EXグレードEDTメンブレンフィルターは、高容量の性能とさらなる安全性を兼ね備えています。<STRONG><FONT style="BACKGROUND-COLOR: #cad6e5" color=#0000ff face=Arial>A.laidlawii</FONT></STRONG>および<STRONG><FONT style="BACKGROUND-COLOR: #cad6e5" color=#0000ff face=Arial>M.orale</FONT></STRONG> (通常10LRV以上) に対して抜群のマイコプラズマ除去効率により、おもにバイオリアクターのフィードとしてや無菌充填のバリデーション時に使用される細胞培地や培養基におすすめな製品です。

詳細: EDTメンブレンおよび EDFメンブレン

ペガサスSV4小型ウイルス除去フィルター

近日発売:新しいペガサス SV4小型ウイルス除去フィルターは、安定した流量特性と卓越した処理能力により、ろ過の経済性を最大限に高めます。小型のノンエンベロープウイルスと大型ウイルスにおいても、高いウイルスクリアランス効果を示し、バイオ医薬品の製造工程においてタンパク質が高濃度溶液であっても、一定で安定した流量特性を示します。さらに、高濃度もしくは複雑なタンパク溶液においても、流束と圧力の関係を安定的に維持することが可能なため、ろ過前に溶液を希釈する必要がなく、ウイルスろ過工程の経済性を大きく改善することができます。予期せぬ目詰りやゲル化による流量低下が発生すると、設定したろ過工程の運転条件のごく一部しか適用することができず、また工程時間が大幅に伸びたりすることにつながります。このような要因を踏まえ、ペガサス ペガサスSV4 ウイルス除去用フィルターは、高いウイルス安全性と大きなプロセス費用の低減が可能なプラットフォーム技術として確立できるのです。

詳細:ペガサスSV4

プロセス開発におけるメンブレンクロマトグラフィー

ポールのメンブレンクロマトグラフィー製品に加わったMustang XTアクロディスクユニットは、QおよびSのイオン交換基を持つ最新の製品です。これらの製品は迅速で使いやすく、さまざまな用途でスケールダウンされたプロセス開発のために最適な製品として開発されました。実験室レベルでのタンパク質精製やサンプル調整、バイオ医薬品成分や血漿分画製剤からの不純物質の除去や、ワクチン製造工程における巨大な分子量を持つ目的物質の回収および不純物除去に適しています。新しいユニットは、簡単に低圧クロマトグラフィーシステムに接続でき、幅広い流量範囲で優れた性能を発揮します。

特長:
  • 1mL未満のデバイス容量により、サンプル要件を最小化
  • 一貫した16層のメンブレン構造により、スケールアップが容易
  • 低い圧力損失で最大10MV/mLの送液が可能
  • メスルアーロック形式のインレット/アウトレット
詳細:メンブレンクロマトグラフィー

センティーノ微生物検査用ポンプ

センティーノポンプは、ろ過溶液を直接排水することができる小型ペリスタポンプにより、従来の吸引ろ過システムと比べ分析操作を合理化します。簡単な操作、コンパクトなデザイン、携帯性により手狭なクリーンベンチ内でも場所を取らず、快適な作業空間を作ります。排液チューブは使い捨てでメンテナンスも簡単。忙しい微生物検査室での汚染管理にも優れています。大きくて扱いにくいマニホールドを洗浄、オートクレーブ滅菌する必要はもうなくなります。

特長
  • コンパクトなサイズ ―場所をとりません
  • 携帯性― 充電可能なバッテリーあるいは家庭用電源で使用可能
  • 簡単操作―プログラミングやバリデート用のデータ保存の必要性なし
  • ペリスタポンプ―ろ液は一方向で吸引ポンプのような逆流なし
  • 使い捨て排液チューブ―バイオフィルムによる問題が発生する前に交換可能
詳細:センティーノポンプ

LC/MS用アクロディスクMSシリンジフィルター

アクロディスクMSシリンジフィルターは、高感度なLC/MS分析においても、その低溶出性が証明された世界で最初のシリンジフィルターです。このフィルターは試験精度を改善し、LC/MS性能を高め、さらに高感度な装置の寿命を延ばします。低溶出性能はイオン化プロセスでの干渉作用を最低限にし、再試験の必要性を下げます。これらの特長は思いもよらないコンタミネーションによる装置の稼動停止を最小化し、結果的に経費を低減することになります。

特長
  • LC/MS分析におけるシリンジフィルターの低溶出性証明
  • イオンサプレッションおよびイオンエンハンスメントの低下
  • 親水性PTFEメンブレンにより優れた薬品適合性
  • 低タンパク質吸着性
詳細:アクロディスク・シリンジ

用途

結果報告:ポールのお客様は、2012年優秀施設賞で優れた成績を上げています。

毎年、International Society for Pharmaceutical Engineering  (ISPE) では、「FOYA (優秀施設賞)」を授与しています。2012年には、この賞の二つのカテゴリーで、ポールが広汎な設備改善とサポートサービスを提供している施設が入賞を果たしました。

「画期的な装置」1部門では、Rentschler Biotechnologie GmbH (ドイツ、ラウプハイム) が「幅広い製造プロトコルに対応できる、ウイルスろ過の高度に自動化されたスキッドを共同開発した」として受賞しました。ポールからはそれ以外のシステムも数多く提供されています。
 
これらのシステムは、ダブリンで開催される「新規共同事業」部門2で受賞した国立バイオプロセス研究・研修機構 (NIBRT) が主催した会議でも取り上げられています。ポールのNIBRTとの共同プロジェクトは、最近のプレスリリースで公表され3 、「バイオ医薬品の開発と製造におけるシングルユースシステムのマスタークラス」と評されています。
1 www.facilityoftheyear.org/foyawinners2012#Rentschler
2 www.facilityoftheyear.org/foyawinners2012#NIBRT
3 news.pall.com/article_display.cfm?article_id=4614

詳細:bpvision@pall.com

インタビュー

二段フィルターは一段よりも優れているのか?

世界各国の規制当局は、医薬品製造の安全性を高めるためのリスクアセスメントを推進しています。規制当局との最近の協議について、Jerold Martin氏にお聞きしました。

Jerryさん、最終容器で滅菌されない医薬品製品に関する規制当局の期待はどのように変化していますか?
無菌ろ過は、依然としてこれらの製品に求められています。米国のFDAは、ワーストケースの条件下での無菌ろ過のバリデーションを要求しています(ポールは同サービスを提供)。EMAはこれを受け入れていますが、欧州のGMPは、さらに滅菌での安全を期すために、二つ目のろ過滅菌用フィルター(通常は0.2μm)の使用を推奨しています。

一つの作業のために二つのフィルターを使用するのはやり過ぎに思えますが、規制当局はこれを義務化しているのですか?
必ずしも一様ではありません。この項目は米国のFDAガイダンスの下では任意であり、欧州の GMPガイダンスでは、欧州全域で義務化しているわけではありません。ただし、ヨーロッパの一部の国の検査官には要求されます。

両方のフィルターの完全性試験は必要ですか?
最終のろ過滅菌用フィルターをろ過した後の完全性試験は常に要求されます。ただし、「二段」(連続) ろ過構成は、多様です。一つ目のフィルターがプレフィルターとして使用される場合、何らか最終フィルター一次側製品のバイオバーデンをサンプリングする必要があるので、このフィルターの試験は要求されません。リダンダント型構成の場合、二つ目(最終)のフィルターがろ過後の完全性試験に合格したら、その製品は最初のフィルターを試験するまでもなく、無菌化できていると見なされます。リダンダント型構成のメリットは、最終フィルターが完全性試験に合格しなくても、一つ目のフィルターが合格すれば、その製品は無菌化されていると見なされる点です。無菌化のため二つのフィルターが必要な場合は、少なくとも使用後に両方のフィルターの完全性試験が要求されることになるでしょう。

ろ過前試験はいかがですか?
一部のEUの査察官は、スチーム滅菌後にろ過前の試験を要求していますが、ろ過前の試験は患者の安全性に影響するものではなく、問題のあるフィルターを使用してバッチごと損失を受けたりリワークが必要になる事態を避けるために、主にビジネス上の理由により行うものです。この試験によって、発送、取扱い、設置、無菌化プロセスが適切であったことが確認できます。

最後に、こうした試験手順がシングルユースシステムに適用される可能性はありますか?
もちろんです。シングルユースシステムでは、ポールは法的要件に適合した使用に適する標準設計やカスタマイズ設計を提供しています。また、ろ過システムの設計、設備や完全性試験に関するコンサルタントやトレーニングなど、多くのユーザーにとって非常に有益な内容を提供しています。

参考文献:
PDAテクニカルレポートTR26 (2008)

FDA Guidance for Industry – Sterile Drug Products Produced by Aseptic Processing – Current Good Manufacturing Practice (2004年9月)

EC Guide to GMP - Revision to Annex I - Manufacture of Sterile Medicinal Products (2008年2月改訂 - 2009年3月発効)

EMEA Committee for Proprietary Medicinal Products (CPMP)。Note for Guidance on Manufacture of the Finished Dosage Form (CPMP/QWP/486/95) (1996年4月)
詳細:bpvision@pall.com

インターネットハイライト

医薬品製造ウェビナーシリーズ

ポール・ライフサイエンスのウェビナーシリーズでは、業界の最新トレンドと新技術を解説し、皆さまに役立つ情報をお届けします。プレゼンテーションは医薬品製造業界のリーダーと専門家が行います。ライブウェビナーで見逃したものがあっても、ご心配はいりません。ポール・バイオファームのウェビナーは、すべての回をご都合のよい時にオンデマンドでご覧いただけます。最新のライブウェビナーの内容については、右記をご覧ください。

詳細と登録については、www.pall.com/biopharmwebinars にアクセスしてください。

医薬品製造ウェビナーシリーズ (現在のトピックス)

  • メンブレンクロマトグラフィー – 迅速な汚染物質を取り除くための柔軟なソリューション
  • タンパク質の安定化と凝集– 製剤化工程のカギ
  • シングルユースシステムによる溶出物/浸出物に対するアプローチ
  • シングルユースシステムのガンマ線照射および滅菌
追加のウェビナートピックは、ライブでのセミナー開催日の数週間前にご案内いたします。事前に通知が必要な方、今後のウェブセミナーのテーマに関するご提案は、Eメール bpvision@pall.comあてにお寄せください。

今後のウェビナーのトピックス:
  • ろ過滅菌グレードのフィルターの滅菌後/ろ過前完全性試験:Regulatory Expectations, Technical Issues and Pall Recommendations
  • 複雑なシングルユースユニットの操作:従来型ユニットをシングルユースTFFユニットに代えた場合の工程的・経済的メリット

ウェビナーシリーズ – 最近の開講分

メンブレンクロマトグラフィーによる迅速な夾雑物質の除去工程
アップストリームプロセスの継続的な改善により、タンパク質発現レベルが上がり、ダウンストリームタイターは1g/Lを超え、10g/Lに届くようになりました。これらの利点は、ダウンストリームプロセスに直接影響を与え、ボトルネックの可能性につながります。しかし、多様な高性能クロマトグラフィー吸着剤の使用や、メンブレンクロマトグラフィーなどのシングルユーステクノロジーの使用の増大などのトレンドは、医薬品製造業界で活発になっています。

ダウンストリームにおいて夾雑物の効果的な除去はしばしば困難を伴いますが、メンブレンクロマトグラフィーによる除去工程は近年多くの応用例が報告されています。メンブレンクロマトグラフィーはそのスピード、効率、および操作性の容易さから処理時間短縮とコスト低減に貢献し、プロセス全体の生産性を向上させます。このウェビナーでは、メンブレンクロマトグラフィーの基本原理の理解を深め、実際のダウンストリームにおける時間とコスト低減の応用例をご紹介します。

ウェビナーは、現在オンデマンドwww.pall.com/biopharmwebinars でご覧いただけます。

詳細

本記事の詳細については、www.pall.com/biopharm にアクセスするか、記事の番号をご記入のうえ、メールでbpvision@pall.comまでお問い合わせください。