バイオプロセス・ビジョン - Issue 1 - 2011年4月



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市場トレンド

液体移送時のリスクを軽減する滅菌ディスコネクター

バイオプロセスにおいてシングルユースシステムがトレンドになりつつある現在、シングルユースの部品に対する需要も高まってきています。その一例が、クランプによる挟み付けや切断により起こりうる危険の回避、液体の安全性の保持、作業者の安全性の向上、液体ロスの低減といった項目をすべて兼ね揃えた、安全にチューブを切断するメカニズムに対する需要です。さらに、チューブ切断の前後では、流路の無菌性が保たれなくてはなりません。

培地調整、培養槽間での培養液の移送、バッファー調整、残留液の除去、目的物の中間体やバルク液を保存する際など、あらゆる場合において無菌性の保持およびバイオバーデンコントロールが必須です。

液体の無菌性をさらに確実に確保するため、切断装置による切断後には、流路がオープンの状態にならないことや、再度接続されることがないということが保証される必要があります。

切断操作は簡単な手順で即座に行うことができ、切断された流路の無菌性や封じ込めは終始維持されていなければなりません。プロセスは、シングルユースやハイブリッドシステムと互換性がある必要があります。たとえば、バイオコンテイナーへの培養液の充填が挙げられます。培養液は凍結保存され、次のプロセスに進むために制御された環境に戻す必要があります。

管理されていない環境下においても無菌的な切断を行えるという革新的なソリューションを提供するクリーンパックの無菌ディスコネクターの発売開始により、無菌操作におけるシングルユーステクノロジーは大きな進歩を遂げています。この製品は、プロセスのあらゆる段階で使用される可能性がありますが、使い勝手のよさや無菌性が重大な焦点になるアップストリームや製剤工程および充填工程において特にその威力を発揮します。

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製品情報

プロセス開発の簡略化

マイクロスケールでのプロセス開発が大きく進化を遂げようとしています。簡便でディスポーザブルのフォーマットにより、新製品のMicro-24マイクロバイオリアクターシステムは、優良株の選定、培地の最適化、デザインスペースの構築などのプロセス開発初期段階において、非常に高い処理能力を発揮します。個々にコントロールできるため、スケーラビリティのあるデータを得られ、容量の大きな培養槽へのスケールアップが非常にスムーズに行うことができ、プロセス開発にかかる時間を大幅に減らすことができます。システムは、簡便に使用でき、かつ一般的な研究室環境においてもコンパクトに配置できるようデザインされています。

特長:

  • ハイスループットと迅速な生成を実現するディスポーザブルの24個のウェルカセット
  • 温度、pH、および溶存酸素を個々のウェルに対し独立して制御
  • 研究室環境へ簡単に設置できるコンパクトな設計
  • 微生物培養用・動物細胞培養用にそれぞれ適したカセット

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業界初のシングルパスTFF技術

ポールの新しい技術によるケイデンス・シングルパスTFFシステムは、従来のTFFで必要とされる循環ループが不要で、プロセスの単純化に貢献します。さらに、少ないホールドアップ容量で次工程にほぼダイレクトに送液できるため、ダウンストリーム工程を効率化できます。



 

ケイデンスシングルパスTFFシステムの機能:

  • その他のダウンストリーム工程との直接接続
  • 高い回収率 (98%以上)
  • せん断力に対し、不安定な目的物質のプロセス最適化
  • 低コストで高い能力を発揮
  • 高価なストレージタンクが不要
  • 少ないホールドアップ容量

ケイデンスのモジュールには、実績のある再生セルロースメンブレンのデルタTシリーズカセットが組み込まれており、高い透過流束、高い選択性、そしてタンパク質の低吸着などの特長を備えています。

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用途

クロマトグラフィー担体のスクリーニングサービス

精製のニーズに合わせたクロマトグラフィーのプロセス開発を迅速に行うことができるようになりました。ポールのクロマトグラフィー担体のスクリーニングサービスでは、96ウェルのフィルタープレートで様々な担体を同時に評価でき、迅速な分析が可能です。このサービスは、それぞれの用途に対して最適なクロマトグラフィー担体の選定を迅速かつ確実に行うことができます。すべてのサービスには、詳細なデータを含むプロジェクトを要約するための包括的なレポートが提供されます。

ポールのクロマトグラフィー担体のスクリーニングサービスは以下になります。

  • バイオプロセス開発におけるハイスループットな担体スクリーニング
  • 個々のウェルに対して担体の選択が可能
  • 2日以内でスクリーニング完了
  • 必要なサンプル量は最小限、包括的なレポート

さらに詳しい内容をご希望される方はbpvision@pall.comまでメールしてください。

インタビュー

Quality by Design (QbD)

Richard Francisは、27年間にわたりプロセス開発および製造のに従事し、数多くの重要な市販されている医薬品の開発に携わってきました。Richardは、QbDを専門分野とし、医薬品製造の開発をサポートすることを目的としたコンサルティング会社であるFrancis Biopharmaのディレクターとして活躍しています。

Quality by Design (QbD) とは何ですか?

QbDとは、製品開発、プロセスおよび製品についての知識を確実にするための系統的なアプローチです。QbDによって、求められている品質の製品を継続して提供するための堅牢な商業生産プロセスの運用を容易にすることができます。

なぜQbDが重要なのでしょうか?

知識は極めて重要な成果物です。実験計画法 (DoE) のデータを処理するソフトウェアに入力される数百もの小スケールの実験により得られる知識もあるかもしれません。このような知識が医薬品製造プロセスの継続的な改善に役立ちます。そして、そのデザインスペース内であらかじめ定義したプロセス条件で運用されていれば、要求した特性を有した製品を得ることができるのです。

どのような場面でQbDを活用できますか?

QbDは、プロセス開発のあらゆる場面において活用できます。医薬品を開発する企業は、QbDにより、プロセスの知識を規制当局およびお客様に示すことができます。また、製品が品質規格に適合し、臨床的有用性を満たしていることを保証できます。製品特性が定義された後において、プロセス開発は製品および製造プロセスの理解をより深く理解するためのデータ生成に注力することができます。「プロセスそのものが製品である」という従来のパラダイムを「プロセスに関する知識そのものが製品である」という考えにシフトさせているのです。

QbD導入のための重要なツールとは何ですか?

QbDでは、品質特性のプロセスパラメーターに及ぼす影響を徹底的に評価する必要があります。データ生成に代わる知識生成が重要な要素となります。QbDでは、定義された製品特性を評価できる分析方法を伴った、スケールダウン・プロセスのモデルを合理的に活用することが求められます。すべてのプロセスデータに対する理解に基づく合理的な知識が蓄積されていくなかで、すべてのプロセスデータが考慮され、レビューされなければなりません。

今後5年でQbDの取り込みはどのようになりますか?

私はQbDがプロセスに関する知識生成の中心となり、製品のライフサイクルがまっとうされるまで、プロセスと製品に関する知識を支えることを望んでいます。製品化し、それによって未来に成功をもたらしたいと考える製品を生産するならば、企業には使用するプロセスについて本当に理解しようという情熱を持ってほしいです。

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